WHAT'S DEMENTIA

認知症を知ろう

認知症とは

いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活する上で支障が出ている状態(およそ6カ月以上継続)を指します。

3大認知症の割合

小阪 憲司先生より

アルツハイマー型認知症と正常の脳の比較

アルツハイマー型認知症が、脳萎縮されていることがわかります。

正常コントロール

アルツハイマー型認知症

〈原図〉 金沢大学 神経内科 山田 正仁

アルツハイマー型認知症の脳病変の特徴

〈原図〉 金沢大学 神経内科 山田 正仁

①老人斑(主成分:アミロイド・ベータ蛋白(Aβ))
②神経原線維変化(主成分:異常リン酸化タウ蛋白)
③神経細胞の脱落

アルツハイマー型認知症の病態(アミロイド仮説)

認知症の症状 ー 中核症状と行動・心理症状

中核症状 

①記憶障害

認知症は正常な老化とどこが違うのか

② 見当識障害

見当識ってなに?

「みなさん今日は何時に家を出ましたか?」
見当識障害とは、以下のようなことです。

時間や季節感の感覚が薄れる

自分のいる場所がわからなくなる

人との関係がわからなくなるのは、かなり進行してから

③ 理解・判断力の障害

理解・判断力の障害は、以下のような症状です。ポジティブに考えることも可能です。

考えるスピードが遅くなる → ゆっくりやれば大丈夫!!

二つ以上のことをうまく処理できなくなる → ひとつずつやれば大丈夫!!

些細な変化などでも、混乱を来たしやすくなる → 補い守ってくれる人がいれば安心!

観念的な事柄と、現実的、具体的なことがらが結びつかなくなる → 悪徳商法の被害に合ったり、機械がうまく使えない

④実行機能障害

計画を立て按配することができなくなる

例えば、計画的に買いものをしたり料理をスムーズにすることが困難になります。
でも、なにもできないわけじゃないのです!

保たれている能力を活用する支援

少しの声かけや援助で、できることがたくさんあります。

⑤ 感情表現の変化など

認知症になるとその場の状況が読めない
 ときとして周囲の人が予測しない、思いがけない感情の反応を示すことも

認知症による障害で状況の解釈ができなくなっているから
本人も不安や辛い気持ちでいっぱいです!

 将来の望みを失ってうつ状態になることも
 能力の低下を強く自覚し、自らの認知症を疑って将来の不安からうつ状態になる人もいます。

Ⅳ 行動・心理症状とその支援

元気がなくなり、引っ込み思案になることも
 
自信を失い、すべてが面倒に
認知症の症状が出てくると、周囲が気付く前から本人は漠然と気がついています。

 将来の望みを失ってうつ状態になることも
 能力の低下を強く自覚し、自らの認知症を疑って将来の不安からうつ状態になる人もいます。

身の回りのことに支障が起こってくる

排泄の失敗を例に本人にとっても非常につらいできごとです!
 失敗の原因は一つではないです。考えられる原因は以下の通りです。
 
① トイレの場所がわからなくなる
② 衣類の着脱に手間取って汚してしまう
③ 切迫するまで尿意、便意を感じなくなる
④ 尿意、便意を全く感じなくなる

自尊心を傷つけない対応をこころがけて、 ちょっとした工夫で、ある程度解決する事もあります!

周辺の人が疲弊する精神症状

しまい忘れから、もの盗られ妄想へ

なくし物が出てくればおさまる

時期がくればおさまる

本人の思いを理解しつつ、疑われている介護者がしんどくならないように、周りがサポートしましょう

 もの盗られ妄想がより複雑な妄想へなることもあるので、 本人のためにも、妄想の対象になっている人を守るためにも、専門医に相談を!!

行動障害への理解

「徘徊」のことばを止めて原因を考えてみましょう。

どんな気持ちなんだろう?

どこに行こうとしているんだろう?

何が原因だろう?⇒対応策を考えてみましょう。

介護者の支援や地域の見守りも大切です。

<主な内容>

発   行:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター
製作協力:一般社団法人 日本認知症本人ワーキンググループ(JDWG)

1.一日も早く、スタートを切ろう
2.これからのよりよい日々のためにイメージを変えよう!

町に出て、味方や仲間と出会おう

何が起きて、何が必要か、自分から話してみよう

自分にとって「大切なこと」をつたえよう

のびのびと、ゆる~く暮らそう

できないことは割り切ろう、できることを大事に 

やりたいことにチャレンジ! 楽しい日々を

3.あなたの応援団がまちの中にいる
4.わたしの暮らし(こんな風に暮らしています)
☆わたしが大切にしたいことメモ
☆わたしのよりよい日々のためのわが町の情報

認知症になった方の心情

Aさんの場合:一日も早く、スタートを切ろう

診断は、人生の新たなスタートライン
「何かおかしい」、「なんでこんなことが・・・・」と思うことが
だんだん増えていきました。
平気をよそおっていましたが、ハラハラすることが多く、どうしちゃったんだろう、と自分で自分がいやになる毎日。
くたびれやすく、病院で診てもらおうと思っていたら、色々検査されて、結果は「認知症」。
医師にいわれて、「えー、嘘!」と信じられませんでした。
でも、どこかほっとしました。病気のせいだったんだと、ようやく理由がわかって、なんかすっきりしました。
今から振り返ると、スタートラインに早く立ててよかった。病院にいくのは、ちょっと怖いけど、迷ってないで、
ちょっと勇気を出して、早く行った方がいい。

Bさんの場合:暗いトンネル(落ち込み)から一日も早く脱出しよう

医師に「認知症です。」と言われて、頭が真っ白になりました。
自分はこれからどうなってしまうのか、心配で心配で、眠れない夜が続きました。

誰にも相談できずに、一人でうつうつ悩んでました。人に会いたくない、家から出たくなくて、家にこもってました。
自分でもまずいなとわかってるけど、家族に言われるとムカッときて、毎日、口喧嘩ばかり。

こんなんじゃダメになるって、ある日思いきって役所にいってみたら、担当の人が本当に親身に話をきいてくれた。
視界がぱあっと開けた。

もっと早く相談にいけばよかったな。あんなに苦しい思いをせずに済んだのに。

引用

わたしに関することは、どんなことでも最初にわたしに聞いてください。
わたしのことを、わたしを抜きに決めないでください。

 クリスティーン・ブライデン(オーストラリア在住)

引用

認知症は、世間で言われているような怖い病気でしょうか。
私は、自分が認知症になり、できないことは増えましたが、
できることもたくさんあることに気がつきました。
認知症の診断を受けて九年になりますが、いまも一人暮らしを
続けています。
認知症であっても、いろいろな能力が残されているのです。
社会にある認知症に対する偏った情報、誤った見方は、
認知症と診断された人自身にも、それを信じさせてしまいます。
この二重の偏見は、認知症と生きようとする当事者の力を奪い、
生きる希望を覆い隠すものです。
私は、そのような誤解、偏見を、なくしていきたいと考えています。

引用

引用:https://www.d1yk.co.jp/health-information/2014/post-15.html

 ・認知症患者は65歳以上で460万人、7人に一人が認知症
 前段階(軽度認知障害:MCI)を入れると800万人以上
   ⇒ 65歳以上の4人に一人が認知症かその予備軍

 2025年には認知症患者は700万人を超えるとの推計値が発表               
  ⇒ 65歳以上の5人に1人が認知症

MCI(軽度認知障害)とは

認知症ではないが、物忘れなどの認知症と似た症状があること。物忘れ以外に日常生活上の大きな支障はない。正常と認知症の中間的な状態を指す。

⇒1年間に10~15%が認知症になる。
   4年間に半数が認知症になる。

軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)

認知症「前段階」46%回復(2017/6/7、読売新聞)

「軽度認知障害(MCI)」の高齢住民を4年間追跡調査(愛知県大府市)

⇒ 14%が認知症に進んだ一方、
46%は正常に戻ったとの結果

(国立長寿医療研究センターの研究班まとめ)

東京都健康長寿医療センター研究所 石井 賢二(平成20~22年度)
       <長寿科学総合研究事業:認知症対策総合研究事業>

アルツハイマー型認知症の経過を追った症状の変化

生活習慣病と認知症

生活習慣病とは

高血圧

糖尿病

脂質異常症(コレステロール、中性脂肪)

食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足、喫煙など、良いとは言えない生活習慣から起こる病気を生活習慣病と言います。糖尿病・脂質異常症・高血圧・脳卒中・肥満などがこれに当てはまり、日本人の死亡原因の2/3は生活習慣病によるものとされています。高齢者の生活習慣病は増え続けており、認知症と大きく関連している事も分かってきました。

認知症の危険因子と予防

アルツハイマー型認知症
加齢、高血圧症、糖尿病、肥満、心疾患等

血管性認知症
脳血管障害の危険因子と共通と考えられる。
高血圧症、糖尿病、脂質異常症、心房細動、   喫煙、過度の飲酒
⇒メタボリック症候群(生活習慣病)       の予防と治療

糖尿病患者はアルツハイマー病の発症率が2.1倍高い

高血圧の方は脳血管性認知症の発症率が3.4倍高い

2型糖尿病は、血管に障害を起こし脳血管性認知症とも関わりがあるとされていますが、アルツハイマー型認知症になるリスクも高いとも言われています。九州大学で行われていた研究の結果、2型糖尿病と関係する高インスリン血症状態が、アルツハイマー型の原因と言われている、アミロイドβ蛋白を分解出来なくする事がわかりました。また、アミロイドβ蛋白と同じく、アルツハイマー型の原因と考えられている、タウ蛋白の変質促進にも関わっているとされています。そして糖尿病の人の発症リスクは、血糖値が正常な人より2.1倍も高くなっている事も明らかになっています。
生活習慣病は脳血管障害を起こしやすくし、脳血管性認知症の発症に関係しているのではないかと考えられています。1985年から数回に渡り福岡の久山町で行われている調査では、高血圧の人は血圧が正常な人に比べて、血管性認知症のリスクが高まることが分かっています。具体的には、老年期(65~79歳)の高血圧の人は正常な人に比べて血管性認知症のリスクが3.0~5.5倍高く、中年期(50~64歳)の高血圧の人は正常な人に比べて血管性認知症のリスクが2.4~10.1倍高い、とされています

認知症になりにくい生活習慣

食生活の改善:糖質やカロリー制限、減塩、DHA、EPA、ビタミンB群、C摂取 ポリフェノール。

禁煙

有酸素運動:軽いジョギングやウオーキング
1日20~30分、週2回

良質な睡眠、30分以内の昼寝

対人接触:人とよくお付き合いしている。

知的行動習慣:文章を書く・読む、ゲームをする、博物館に行く など

若年性認知症とは・・・

64歳以下で発症する認知症のことです。最も占めるのが39.8%の脳血管型認知症です。

出典:厚生労働省 若年性認知症の実態等に関する調査結果 https://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0319-2.html

若年性認知症の特徴は・・・

1)若年齢のため仕事の疲労やうつと考え、病気に気づきにくい。
2)認知症の診断が遅れ、病状が進行してしまうケースもあり。
3)発症する年代は、働き盛りであることが多く、休職や退職
  により経済的な問題に直面する。
4)親の介護と認知症になった配偶者への介護が重なるケース
  も多い。また子供の養育とも重なり、配偶者に介護負担が
  集中する。

ひつじの地域いずみおおつ・とは

ひ (人と人との)
つ (つながりを大切に)
じ (自分らしく生きられる地域〔まち〕)

認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを行っていくという意味のキャッチフレーズです。
認知症の人やその家族を支援するために 地域で認知症サポーターを増やします。

だんじり認知症サポーターの輪について

認知症サポーター養成講座(1時間半、無料)を
受講すれば、どなたでも「認知症サポーター」に
なれます。
受講された方には、認知症サポーターの証である
「オレンジリング」が渡されます。

だんじりは一人の力では、決して動きません。一人一人の少しずつの力が合わさって躍動的な一つの大きな動きをします。

オレンジリングを日常で身に着けていることだけでも、認知症サポーターの日頃のちょっとした支える気持ちが、合わさって、非常に大きな力となるのです。

だんじりサポーターは、これから始まる、だんじり祭りという、市の最大のイベントにオレンジリングを着けて参加します。そして、認知症の方や家族の方を、支えていますと、アピールしていきます。

皆さまも是非、オレンジリングを着けて、だんじり祭りを観にお越しください。そして、泉大津から泉州全域にだんじりサポーターの輪を広げて行きましょう!

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